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日本の大企業CEO報酬は5年で約1.7倍となるも、
米国・英国との報酬格差は依然として大きい
~2026年度日米英CEO報酬調査の結果公表(報酬実績、ミックス、業績評価指標の比較)~
HRガバナンス・リーダーズ株式会社(代表取締役社長 CEO 内ヶ﨑 茂、 以下 「HRGL」)は、日本、アメリカ、イギリスの時価総額上位企業のCEOを対象とした報酬調査を行いましたので、結果を公表いたします。
【調査実施目的】
- 日本、アメリカ、イギリスのCEO報酬の水準や制度設計の特徴を明らかにし、企業の皆様をはじめ、多くのステークホルダーの方にグローバル基準の報酬プラクティスへの理解を深めていただく
【調査結果のサマリー】
- 2025年におけるCEOの報酬額の中央値は、日本は約3億円、アメリカは約40億円、イギリスは約9億円。日本の報酬額は2021年比約1.7倍となったが、報酬格差は、2021年から2025年にかけて、イギリスとは約3倍で横ばい、アメリカとは約15倍から約13倍に縮小するも依然として大きい
- 日本の報酬ミックス(実績)は、基本報酬と短期インセンティブ(STI)、中長期インセンティブ(LTI)がおおむね1:1:1で構成。アメリカ・イギリスと比較して、業績連動型報酬(STI+LTIの合計)の割合が低いものの、2023年と比較して増加
- 業績評価指標における財務指標の採用割合をテーマ別にみると、STIにおいて、日本はアメリカ・イギリスと比較して、純利益や資本効率関連の指標の採用割合が高く、キャッシュフロー関連の指標の採用割合が低い。LTIでは、3か国とも、TSR(株主総利回り)関連の指標の採用割合が最も高い
- 業績評価指標における将来財務指標の採用割合は、日本はSTI・LTI共に45%程度であり、近年STIでの採用割合が増加。アメリカ・イギリスは、STIでの採用割合がLTIより高いものの減少傾向にあり、LTIでは増加傾向
- 将来財務指標のテーマ別(E(環境)、S(社会)、G(ガバナンス)、サステナビリティ/ESG、その他)の採用割合をみると、日本はアメリカ・イギリスと比較して、STI及びLTIでサステナビリティ全般に係る指標である「サステナビリティ/ESG」領域の指標の採用割合が高く、またLTIにおいては「E」領域の指標の採用割合も高い
- 業績評価指標として個人評価を採用する企業の割合は、STIにおいて、日本とイギリスでは3割超、アメリカは1割程度。LTIについては、日本で7%、アメリカ・イギリスではほとんどない
【調査対象企業】

■2025年CEO報酬実績
2025年におけるCEOの報酬総額(中央値)は、日本は約3億円、アメリカは約40億円、イギリスは約9億円でした(図表1)。日本のCEOの報酬額は年々増加し、2021年比約1.7倍となりましたが、アメリカ・イギリスと比較して低水準となっています。
日本を基準としたアメリカ・イギリスとの報酬格差について、2021~2025年の推移をみると、イギリスとは約3倍で横ばい、アメリカとは約15倍から約13倍と格差が縮小するも依然として大きくなっています。日本は、業績連動型報酬(短期インセンティブ(STI)と中長期インセンティブ(LTI)の合計)、特にLTIがアメリカ・イギリスと比較して低い水準であることが、報酬格差を生む大きな要因となっています。
なお、現地通貨別に報酬額(中央値)の推移をみると、アメリカ・イギリスと比較して、日本の報酬水準は低いものの、過去5年間の増加率は68%と高くなっています(Appendix参照)。
(図表1)

■2025 年 CEO 報酬ミックス(実績)
2025年における日本の報酬ミックス(実績、中央値)は、基本報酬とSTI、LTIがおおむね1:1:1で構成されています(図表2)。また、業績連動型報酬(STIとLTIの合計)の割合が2023年64%から2025年66%まで緩やかに増加しているほか、2025年は、LTIの割合が前年比9%pt*¹増加しています。
アメリカは、基本報酬とSTIの割合が低く、8割をLTIが占めています。イギリスは日本に比較的近い報酬ミックスですが、日本と比較して基本報酬が約10%低く、その分LTIの構成割合が10%程度高くなっており、業績連動型報酬の割合が8割近くを占めます。
※1 %pt…%で表された2つの値の差(パーセントポイント)
(図表2)

■2025年CEO報酬ミックス(ターゲット)
2025年における日本のCEO報酬ターゲット構成比*²(平均値)は、基本報酬36%、STI30%、LTI33%で、おおむね1:1:1で構成されています(図表3)。アメリカのCEO報酬ターゲット構成比は、LTIの割合が78%と特に高くなっています。なお、各国の報酬ターゲット構成比について、直近3年間で特筆すべき変化はみられませんでした。
※2 ターゲット構成比…対象年度における業績連動報酬の各指標について過達、未達などがなく目標を達成した場合の基本報酬、STI、LTIの報酬総額に占める構成比
(図表3)

■2025年CEO報酬における業績評価指標の採用状況
① 財務指標の採用状況
STIにおける財務指標の採用割合をテーマ別にみると、日本はアメリカ・イギリスと比較して、純利益や資本効率関連の指標の採用割合が高く、キャッシュフロー関連の指標の採用割合が低くなっています(図表4)。一方、アメリカは売上・収益関連、イギリスは営業利益関連の指標の採用割合が高くなっています。
LTIにおいては、3か国とも、TSR(株主総利回り)関連の指標の採用割合が最も高く、次いで、日本では資本効率関連、アメリカ・イギリスはEPS関連の指標の採用割合が高くなっています。
(図表4)


② 将来財務指標*3の採用状況
CEO報酬の業績評価指標として将来財務指標を採用する企業の割合は、日本では、STIで年々増加し、2025年は45%に達しました(図表5)。LTIについても、2023年以降45%前後で推移しています。
アメリカ・イギリスでは、STIで将来財務指標の採用割合がLTIより高いものの減少傾向である一方で、LTIでは増加傾向にあります。
※3将来財務指標…サステナビリティに関連した指標をはじめ、中長期的な企業価値の源泉である未実現の財務価値を表す指標
(図表5)

③テーマ別の将来財務指標の採用状況
将来財務指標を採用している企業を対象に、テーマ別(E(環境)、S(社会)、G(ガバナンス)、サステナビリティ/ESG、その他)に指標の採用割合をみると、日本は、STIでは「S」「サステナビリティ/ESG」「その他」領域の指標、LTIでは「サステナビリティ/ESG」「E」「S」領域の指標の採用割合が相対的に高くなっています(図表6)。
一方、アメリカは、STI及びLTIで「その他」領域の指標の採用割合が最も高くなっています。また、イギリスは、STIでは「S」「その他」領域の指標、LTIでは「E」領域の指標の採用割合が高くなっています。
(図表6)

④個人評価の採用状況
CEO報酬の業績評価指標として個人評価を採用する企業の割合は、STIにおいて、日本とイギリスでは3割超、アメリカは1割程度となっています(図表7)。一方で、LTIにおいては、日本では7%、アメリカ・イギリスではほとんどありません。
(図表7)

本調査の結果について、HRGL代表取締役社長 CEO 内ヶ﨑 茂は次のように述べています。「今回の調査結果から、日本企業の報酬水準は、業績連動割合を高めながら引き続き上昇傾向にあるものの、日本企業とアメリカ・イギリス企業との報酬額の格差は依然として大きいことが明白である。昨年経済産業省が公表した「『稼ぐ力』の強化に向けたコーポレートガバナンスガイダンス」では、中長期的な企業価値の向上を実現する価値創造ストーリーの構築と実行を実現するためには、経営チームによる適切なリスクテイクを後押しすることの重要性が示されている。CEOのアニマルスピリット経営を後押しするため、中長期視点での大胆なリスクテイクを促す報酬ミックスを構築するとともに、強靭な経営チームの組成に貢献するインセンティブ報酬の設計として、経営戦略に連動した財務・将来財務・個人ミッションの統合的な評価指標の採用が肝要である。今後も引き続き、グローバルでの優れた経営者の人財獲得のために、適切なインセンティブ報酬設計となるよう見直していくことが期待される。」
HRGLは、今後も強靭な取締役会を起点としたサステナビリティ経営の実現に向けて、クライアント企業の多様なニーズにお応えし、企業の成長ストーリーをともに描く、コーポレートガバナンスの“かかりつけ医”としての役割を担ってまいります。
【HRガバナンス・リーダーズ株式会社 概要】
設 立 :2020年4月(事業開始:2020年10月)
所在地 :〒100-0005 東京都千代田区丸の内1-4-5
代表者 :代表取締役社長 CEO 内ヶ﨑 茂
事業内容:サステナビリティガバナンスコンサルティング
ボードガバナンスコンサルティング
指名・人財・報酬ガバナンスコンサルティング
サステナビリティ経営・人的資本経営コンサルティング
上記コンサルティングに関する商品開発および調査研究・オピニオン発信
信託代理店業務
URL :https://www.hrgl.jp/
■Appendix
Appendix 1:CEO 報酬実績(現地通貨別/経年比較)

Appendix 2:財務指標 具体的な指標例

Appendix 3:将来財務指標 具体的な指標例


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