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ニュースリリース

今後はサステナビリティ領域と報酬・指名領域における取組みの連動が課題に
~「2022年サステナビリティガバナンス・サーベイ報告書」公表~

 HRガバナンス・リーダーズ株式会社(代表取締役社長 CEO 内ヶ﨑 茂、 以下 「HRGL」)は、第2回となるサステナビリティガバナンス・サーベイ(以下、本調査)を実施し、日本企業のサステナビリティ・ガバナンスを構築する各種要因についての分析を行いました。
 今般、調査結果を「2022年サステナビリティガバナンス・サーベイ報告書」(以下、本報告書)として公表いたしましたので、お知らせいたします。

 調査概要と主な調査結果は以下の通りです。調査結果の詳細は本報告書をご確認ください。

【調査概要】

 本調査では、「①サステナビリティ経営の推進体制」「②報酬、指名領域におけるサステナビリティへの取組み」「③CEOのリーダーシップ」「④サステナビリティ経営の目指す方向性」「⑤ステークホルダーとのエンゲージメント」の5つの要素に関する質問票を設計しました。これら5つの要素は、HRGLがサステナビリティ・ガバナンスの構築において重要と考える項目です。

 回答結果を用いた分析では、レーダーチャートを用いた要素間の比較、重要な質問項目におけるクロス集計、自由記述を基にした定性分析の3つの手法を採用しました。HRGL独自の評価基準で回答結果のスコアリングを実施し、取組みが進む要素と改善の余地がある要素を比較するとともに、クロス集計や定性分析でサステナビリティ・ガバナンスを構築する要素間の関係性を考察しました。

【サーベイ参加企業について】

 参加企業の募集期間は2022年10月3日~11月18日とし、前回のサーベイ参加企業、調査結果の解説ウェビナー参加企業、および弊社メールマガジン登録者等を中心にご案内を送付すると同時に、弊社ホームページ掲載での告知を通じ参加企業を募りました。参加申込企業数は52社、最終的な参加企業数は37社となり、質問票の回収率は約70%でした。

 調査対象となった参加企業の業種は、情報通信・サービスその他が最も多い結果となりました。参加企業の機関設計としては、監査役会設置会社が58%、監査等委員会設置会社が36%、指名委員会等設置会社が6%でした。

【主な調査結果】

  • 5つの要素のうち、前回同様、「⑤ステークホルダーとのエンゲージメント」で最も取組みの進んだ企業が多い結果となりました。一方、「②報酬、指名領域におけるサステナビリティへの取組み」が相対的に進んでおらず、非財務指標の役員報酬制度への導入やスキル・マトリックスに基づいたサクセッションプランの策定を行っている企業が少ないことが明らかとなりました。サステナビリティに関する専門委員会との連携も含めて、報酬、指名領域とサステナビリティ戦略との連動は今後の課題である可能性があります。(図表1参照)
  • 「②報酬、指名の各領域における今後の取組み」の質問項目と他の要素の質問項目間の関係性を分析するクロス集計を実施した結果、報酬領域ではCEOのリーダーシップが高い企業において、サステナビリティ関連の指標が役員の報酬体系により組み入れられていることが判明しました。また、指名領域では、スキル・マトリックスが策定されていても取締役レベル、執行レベルの双方においてサクセッションプランの策定が進んでおらず、スキル・マトリックスが上手く活用されていない実態が浮き彫りとなりました。今後はスキル・マトリックスとサクセッションプランの連動を追求していく必要があると考えられます。
  • 「①サステナビリティ経営の推進体制」をサステナビリティ・ガバナンスの構築において重要な要素と仮定し、特に好影響を与えていた質問項目を抽出した結果、「サステナビリティにかかる議論が取締役会で実施されている」および「サステナビリティに関する専門委員会が監督サイドと執行サイドの双方に設置されている」企業が、他の要素においても高い得点率を示す傾向にあることがわかりました。
  • 同様に、「③CEOのリーダーシップ」をサステナビリティ・ガバナンスの構築において重要な要素と仮定し、特に好影響を与えていた質問項目を抽出した結果、「CEO が自らの言葉で対外的に中⾧期的な会社の経営 方針について表明している」企業が、他の要素においても高い得点率を示す傾向にあることがわかりました。
  • サステナビリティ経営の目指す方向性の策定におけるCEOのリーダーシップの在り方は、目標の策定や実現に積極的に関与する姿勢と、必要最低限の承認プロセス等にのみ対応する姿勢に二極化していました。

(図表1)

 調査結果を踏まえ、HRGLとして「①CEOのリーダーシップを中心にサステナビリティ・ガバナンスを構築、強化する」「②監督側と執行側の両方にサステナビリティ委員会を設置する」「③指名委員会・報酬委員会の実務にサステナビリティ戦略を反映させる」の3つの提言を行っています。

 経営環境の大きな変化の中で、経営のかじ取りを行う取締役会が持続的に監督機能を発揮するためには、マテリアリティに基づき設定されたESG指標を役員報酬制度に組み入れることや、スキル・マトリックスに基づいたサクセッションプランの策定が必要ですが、今回の調査ではその点に改善の余地があることがわかりました。詳細は本報告書をご確認ください。

 調査結果について、HRGL代表取締役CEO 内ヶ崎 茂は次のように述べています。「今回のサーベイでは、取締役会でのサステナビリティにかかる議論、監督・執行サイドの委員会体制、CEOのリーダーシップの在り方などが、サステナビリティ・ガバナンスの強化に寄与することが明らかとなりました。サステナビリティ・ガバナンスの強化を図るために、今後はサステナビリティ領域と報酬、指名領域との連携を通じた社内横断的な取組みがより一層求められています。今回の調査結果およびHRGLとしての3つの提言が、日本企業におけるサスティナビリティ・ガバナンスの構築・推進の一助となることを願ってやみません。」

 HRGLは、今後も強靭な取締役会を起点としたサステナビリティ経営の実現に向けて、クライアント企業の多様なニーズにお応えし、企業の成長ストーリーをともに描く、コーポレートガバナンスの“かかりつけ医”としての役割を担ってまいります。

【報告書ダウンロード先】

本報告書をご覧になりたい方は、下記URLより必要事項を記入の上、ダウンロードいただけます。
https://www.hrgl.jp/surveydownloadform/

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