HRガバナンス・リーダーズ株式会社

 

「社外取締役向け研修・トレーニングの活用の8つのポイント」及び「社外取締役向けケーススタディ集」の解説

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経済産業省 大臣官房参事(前産業組織課長)

安藤 元太

経済産業省 産業組織課 課長補佐

善本 聡

■ サマリー

 経済産業省は、本年 6 月に「社外取締役向け研修・トレーニングの活用の8つのポイント」(以下「8つのポイント」という)及び「社外取締役向けケーススタディ集」(以下「ケーススタデ ィ集」という)を公表した。これは、コーポレート・ガバナンス・システム研究会(第3期)(以下「CGS 研究会」という)の議論において、「研修コンテンツの充実化」が今後の検討課題と位置づけられたことを踏まえての取組である。

近年、企業の社外取締役の人数は増加傾向にある中、コーポレートガバナンス改革を実質化していく上で、社外取締役の質の向上が鍵となる。研修やトレーニング(以下「研修等」という)はそれに寄与するものであり、社外取締役がその役割をより一層果たせるようになることを通じて、取締役会の機能発揮や独立性の向上につながるものと考えられる。

「8つのポイント」は、社外取締役向け研修等の活用についての理解を広げることを目的に作成した。

具体的には、企業と社外取締役との間で、社外取締役として期待する役割について共有することの重要性や社外取締役の評価・フィードバックの必要性、研修等の活用方法等、企業関係者や社外取締役が、研修等を有効に活用するためのポイントを整理している。企業関係者と社外取締役が改めて研修等の活用について検討する契機としていただきたい。

「ケーススタディ集」は、社外取締役やその候補者向けの研修コンテンツの充実を図ることを目的に作成した。また、ケーススタディを題材とする研修等での活用だけではなく、実際に取締役会や各種委員会で課題等に直面したときに、社外取締役としてどう振る舞うかを考える際に参照されることも想定している。

具体的には中期経営計画やガバナンス体制、指名・報酬等について、合計 12 の想定事例に関するケーススタディを掲載している。ケーススタディ集の内容は一例として示しているものであり、実際の取締役会や各種委員会等では、会社の状況や自身の役割に応じて考えるべきことは異なってくるものと考えられる。ケーススタディ集の内容を参考にしつつ、自身の役割も踏まえながら、自身であればどう考え、どう行動するかについて考える機会としていただきたい。

1.背景

経済産業省では、2021 年6月にコーポレートガバナンス・コードが改訂されたことも踏まえ、2021 年 11 月に CGS 研究会を設置し、その議論をまとめる形で、2022 年7月にコーポレート・ガバナンス・システムに関する実務指針(以下「CGS ガイドライン」という)の改訂を行った。改訂後の CGS ガイドラインにおいては、戦略を実行する経営陣の「執行機能の強化」と、経営陣を規律づける「ガバナンスの強化」を進めることを促している。
社外取締役の数が増加する中で、社外取締役の質の向上がコーポレートガバナンス改革の実質化の鍵となる。CGS 研究会の議論においても、社外取締役の意識変革と資質向上の重要性が指摘され、取りまとめに当たっては、以下の点が「今後の検討課題」と位置づけられた。

➢ 社外取締役の質を向上させるために、社外取締役やその候補者が幅広く受講できる研修コンテンツを充実させていく必要があるのではないか。
➢ 社外取締役には独立性基準に加え、適格性基準が必要ではないか。適格性としては、法務・コーポレートファイナンスの知識といった基礎知識に加え、監督者としての役割・資質も求められるのではないか。

同様の問題意識から、金融庁が 2023 年4月に公表した「コーポレートガバナンス改革の実質化に向けたアクション・プログラム」においても、「独立社外取締役に対して期待される役割の理解促進のための啓発活動(研修を通じたスキルアップ等)の実施を進">

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経済産業省 大臣官房参事(前産業組織課長)

Genta Ando

経済産業省 産業組織課 課長補佐

Satoshi Yoshimoto

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