欧米企業のCEO報酬制度の最新潮流と日本企業の現在地を解き明かす
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コーポレート
ガバナンス Corporate
Governance - 指名・人財 Nomination/HR
- 報酬 Compensation
- サステナビリティ Sustainability
HRガバナンス・リーダーズ株式会社
コンサルタント
朝田 悠人
HRガバナンス・リーダーズ株式会社
アナリスト
池田 葵
HRガバナンス・リーダーズ株式会社
アナリスト
前田 祐梨子
■ サマリー
HRガバナンス・リーダーズでは日本、アメリカ、イギリス、ドイツ企業のCEO報酬の実績、構成比(報酬ミックス)、および業績評価指標等に関する調査を行っている
CEO報酬水準(合計額)の中央値について、日本企業が2.6億円、アメリカ企業が37.3億円、イギリス企業が6.6億円、ドイツ企業が7.3億円という結果であり、日本企業におけるその水準は海外企業と比較すると依然低い
実績に基づく各国の報酬ミックスを比較すると、日本企業では基本報酬が全体の約4割を占めており、アメリカおよびイギリス企業と比較して固定報酬の割合が大きい
経営者報酬における将来財務KPIの採用状況を調査したところ、日本における採用企業の割合は、昨年からSTIで35%、LTIで44%と双方で大幅に増加している。米英独企業をみると、イギリスでは88%に至っておりやや増加傾向がみられるものの、アメリカ、ドイツにおけるその増加傾向は徐々に落ち着きを見せている
E/S/Gの領域別にみると、日本企業のLTIではE/S/Gの各領域での採用割合が増加している。各国のサステナビリティ情報開示基準を巡る議論のスタンスが、今後の報酬KPI設定に影響を及ぼす可能性が考えられる
LTIにおいて採用されている財務指標について、日本企業はTSRの採用が増加傾向にあり、欧米企業における同指標の採用割合は6割を占めている
クローバック条項、従業員株式報酬制度について、欧米企業においては大半の企業が導入しているものの、日本企業においてその取組みは道半ばである
0.はじめに
HRガバナンス・リーダーズでは、CEO報酬制度における各国の報酬水準や設計の特徴を明らかにするために、日本、アメリカ、イギリス、ドイツ企業のCEO報酬の実績、構成比(報酬ミックス)、および業績評価指標等に関する調査を行っています。本稿では、その結果をご報告します。なお、「1.日米英独 報酬水準・ミックスの状況」の調査対象は図表1の通り、「2.将来財務/財務KPI採用状況」「3.クローバック条項 導入開示状況」「4.従業員株式報酬制度 導入開示状況」の調査対象は図表2の通りです。
図表1
日米英独 CEO報酬調査 ユニバース(1章) 出典: HRGL作成図表2
日米英独 CEO報酬調査 ユニバース(2-4章) 出典: HRGL作成1.日米英独 報酬水準・ミックスの状況
1-1 日米英独 CEO報酬実績の状況
日本国内において報酬制度改革が推進され報酬水準の見直しが実施されている中、日本と欧米各国(アメリカ・イギリス・ドイツ)企業のCEO報酬水準を比較すると、報酬額実績の中央値は、日本企業が合計2.6億円、アメリカ企業が37.3億円、イギリス企業が6.6億円、ドイツ企業が7.3">
参考文献
- 1 ターゲット構成比…対象年度における業績連動報酬の各指標について過達、未達などがなく目標を達成した場合の基本報酬、STI、LTIの報酬総額に占める構成比
- 2 「ESG」は E,S,G 全領域を横断する将来財務 KPI、「その他」は E,S,G いずれの領域にも該当しない将来財務 KPIとして分類。
Opinion Leaderオピニオン・リーダー
HRガバナンス・リーダーズ株式会社
コンサルタント
朝田 悠人 Yuto Asada

HRガバナンス・リーダーズ株式会社
アナリスト
池田 葵 Aoi Ikeda

HRガバナンス・リーダーズ株式会社
アナリスト
前田 祐梨子 Yuriko Maeda
