日経225構成企業の経営者報酬制度をめぐる最新動向
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ガバナンス Corporate
Governance - 指名・人財 Nomination/HR
- 報酬 Compensation
- サステナビリティ Sustainability
HRガバナンス・リーダーズ株式会社
シニアコンサルタント
野中 美希
HRガバナンス・リーダーズ株式会社
コンサルタント
石丸 萌
HRガバナンス・リーダーズ株式会社
コンサルタント
前田 祐梨子
■ サマリー
HRガバナンス・リーダーズは毎年、日経225構成企業の経営者報酬制度に関する最新の開示状況や制度設計の動向を調査。本稿では①報酬実績額・報酬ミックスの状況、②財務/将来財務指標を含む業績評価指標の状況、③クローバック状況の導入開示状況、④社外取締役、社内監査等委員、社内監査役といった監督サイドの役員への株式報酬の導入開示状況に関する調査結果について述べる
報酬水準の決定に用いるピアグループの選定基準を開示している企業は40.2%、ピアグループを構成する個社名を開示している企業は0.4%にとどまる
報酬ミックス(ターゲット構成比)の平均値は、基本報酬:短期インセンティブ(STI):中長期インセンティブ(LTI)=44.0%:28.3%:27.6%であり、STIとLTIを合わせた変動報酬の割合は年々増加している
財務指標の採用件数について、STIでは営業利益や当期純利益などの利益・収益関連の指標が多い。LTIでは株主総利回り(TSR)や自己資本利益率(ROE)の採用が多く、その採用件数は年々増加している
将来財務指標を採用する企業の割合はSTI・LTIともに年々増加し4割を超えた。テーマ別(E(環境)、S(社会)、G(ガバナンス)、サステナビリティ/ESG、その他)の採用割合をみると、STIでは「S」が50.0%、LTIでは「E」が58.5%と最も多い
クローバック条項を導入している旨を開示する企業の割合はSTI・LTIともに年々増加し、STIでは22.3%、LTIでは44.6%となった
社外取締役、社内監査等委員、社内監査役のいずれかに株式報酬を付与している旨を開示している企業は13.4%と限定的であるが、その割合は年々増加している
1.はじめに
HRガバナンス・リーダーズは、上場企業が今後の役員報酬制度の設計や情報開示の内容を検討する際の参考情報を提供すべく、毎年日経225構成企業の有価証券報告書における経営者報酬に関する開示状況について調査(以下、「本調査」という。)しています。本稿では、本調査の結果にもとづき、日経225構成企業における経営者報酬の最新潮流を解説します。本稿で取り上げる調査項目は、①経営者報酬の実績、基本報酬・短期インセンティブ(以下、「STI」という。)・中長期インセンティブ(以下、「LTI」という。)の各制度の構成比(以下、「報酬ミックス」という。)、②財務/将来財務指標を含む業績評価指標、③クローバック条項の導入開示状況、④社外取締役、社内監査等委員、社内監査役といった監督サイドの役員への株式報酬の導入開示状況です。なお、調査項目に応じて5年分のデータを掲載していますが、調査対象企業は各年6月末時点における日経225構成企業であり¹、5年連続で調査対象である企業に限定する形での母集団の絞り込みは行っていません。また、有価証券報告書における記載から取得できる情報に限定して調査を行っています。
2.報酬実績・報酬ミックスの状況
2-1 ピアグループの開示状況
経営者報酬の水準の決定にあたっては、人材獲得市場において競合となる同業他社や">
参考文献
- 1 2025年は6月末時点で有価証券報告書未開示の企業が1社あったため、2025年値のみ調査対象企業数が224社となっている。
- 2 以下の企業を対象としてHRガバナンス・リーダーズが実施した調査結果による。米国:S&P500構成企業のうちターゲット構成比を開示している時価総額上位100社、英国:FTSE350構成企業のうちターゲット構成比を開示している時価総額上位100社、ドイツ:DAX40とHDAX100構成企業のうちターゲット構成比を開示している時価総額上位40社。HRガバナンス・リーダーズ「欧米企業のCEO報酬制度の最新潮流と日本企業の現在地を解き明かす」(2025年7月23日)https://www.hrgl.jp/sus-opinion/sus-opinion-12943/.
- 3 東京証券取引所「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応について」(2023年3月31日)https://www.jpx.co.jp/news/1020/cg27su000000427f-att/cg27su00000042a2.pdf.
- 4 サステナビリティに関連した指標をはじめ、中長期的な企業価値の源泉である未実現の財務価値を表す指標
- 5 サステナビリティ基準委員会(SSBJ)「気候関連開示基準」(2025年3月5日)
- 6 以下の企業を対象としてHRガバナンス・リーダーズが実施した調査結果による。米国:S&P500構成企業のうちターゲット構成比を開示している時価総額上位100社、英国:FTSE350構成企業のうちターゲット構成比を開示している時価総額上位100社、ドイツ:DAX40とHDAX100構成企業のうちターゲット構成比を開示している時価総額上位40社。HRガバナンス・リーダーズ「欧米企業のCEO報酬制度の最新潮流と日本企業の現在地を解き明かす」(2025年7月23日)https://www.hrgl.jp/sus-opinion/sus-opinion-12943/.
- 7 経済産業省「『稼ぐ力』の強化に向けたコーポレートガバナンスガイダンス」(2025年4月30日)https://www.meti.go.jp/press/2025/04/20250430002/20250430002-3.pdf.
Opinion Leaderオピニオン・リーダー
HRガバナンス・リーダーズ株式会社
シニアコンサルタント
野中 美希 Miki Nonaka
HRガバナンス・リーダーズ株式会社
コンサルタント
石丸 萌 Moe Ishimaru
HRガバナンス・リーダーズ株式会社
コンサルタント
前田 祐梨子 Yuriko Maeda