HRガバナンス・リーダーズ株式会社

 

今だからこそ知っておきたい 取締役会の機能強化のために本当に必要なこと

コーポレートセクレタリーの本質論

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リサーチ担当

■ サマリー

令和7(2025)年6月30日、金融庁は「コーポレートガバナンス改革の実質化に向けたアクション・プログラム2025」を公表し、取締役会事務局(コーポレートセクレタリー)の機能強化を通じた取締役会の機能強化が現時点のコーポレートガバナンス改革における最重要課題の1つであることを示しました。

そんな今だからこそ知っておきたい、本稿の考える「取締役会の機能強化のために本当に必要なこと」、それは表層的な「ガバナンス」の視点などではなく、「内部統制」という視点です。

CGコード原案の立案担当者は、原則4-13.や補充原則4-13③等で規定されている取締役等の支援体制の整備や各取締役等への情報の提供の確認は、通常は内部統制システムの構築とその監督の中で実施されることとなる旨、その解説の中で述べています。取締役会事務局の機能強化を通じた取締役会の機能強化は(会社法上の)内部統制の問題でもあり、表層的な「ガバナンス」の視点のみに基づいて取締役会の機能強化を語っても意味をなしません。

取締役会事務局の機能強化を通じた取締役会の機能強化を内部統制の問題として捉えている企業は多くないようですが、内部統制に関する対応を公表している企業の中には、取締役会事務局ないしその機能に着目した取組みを実施している企業も見られます。

経営環境の不確実性が高まっている現代だからこそ、内部統制の意義に改めて立ち返り、その位置付けを正しく理解しつつ、その本質論としっかりと向き合った上で、着実に取締役会の機能強化に向けた歩みを進めていくべきです。

1.取締役会の機能強化をめぐる近時の動向

 令和7(2025)年6月30日、金融庁は「コーポレートガバナンス改革の実質化に向けたアクション・プログラム2025」を公表¹し、同庁及び東京証券取引所における今後の取組み等を示しました。同プログラムにおいて「Ⅱ.フォローアップと今後の方向性」として示された事項は5つに上りますが、そのうちの1つが「3.取締役会等の機能強化」です。
 そこでは、「今後の方向性」として、「独立社外取締役の果たすべき役割や取締役会事務局(コーポレートセクレタリー)の機能強化について、企業の担当者や様々な関係者が実務上の課題やそれへの対応を議論・共有する場として、「コーポレートガバナンス実践コンソーシアム(仮)」を立ち上げ、「取締役会の機能強化の取組みに関する事例集」で共有する事例を更に充実させる。」とされています。
 これらのことから、取締役会の機能強化がコーポレートガバナンス改革における現時点の最重要課題の1つであるとともに、取締役会の機能強化を考える上で取締役会事務局(コーポレートセクレタリー)の機能強化が特に重要であると考えられていることがわかります。
 では、取締役会事務局の機能強化、ひいては取締役会の機能強化のために必要なことは何でしょうか。本稿の考える「取締役会の機能強化のために本当に必要なこと」、それは表層的な「ガバナンス」の視点などではなく、「内部統制」という視点です。

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参考文献

  • 1 金融庁「コーポレートガバナンス改革の実質化に向けたアクション・プログラム2025の公表について」https://www.fsa.go.jp/news/r6/singi/20250630-1.html (2025.11.26)
  • 2 油布志行ほか「「コーポレートガバナンス・コード原案」の解説〔IV・完〕」旬刊商事法務2065号56頁(2015)。
  • 3 会社法上に「内部統制」自体の定義はなく、一般的には本文中で述べた「体制」のことを指して「(会社法上の)内部統制」と呼ばれているにすぎません。「(会社法上の)」というのは、金融商品取引法(昭和23年法律25号)上にも(会社法と同様に「内部統制」自体の定義はないものの)「内部統制」の概念があるからです(「内部統制報告書」について定義する金融商品取引法24条の4の4第1項参照)。
  • 4 住友商事株式会社「内部統制システムに関する取締役会決議内容(2024年4月1日現在)」https://sumitomocorp.disclosure.site/pdf/InternalControl/InternalControlSystem.pdf(2025.11.26)、同「内部統制システムに関する取締役会決議内容(2025年6月20日現在)」https://sumitomocorp.disclosure.site/pdf/InternalControl/InternalControlSystem_2025.pdf?250619(2025.11.26)参照。同社は第157期(2024年度)定時株主総会(2025年6月20日開催)において、監査等委員会設置会社に移行しています。
  • 5 当時は監査等委員会設置会社という会社形態が存在しなかったため、「監査役及び監査委員会」という文言になっています(なお、この「監査委員会」も当時存在した委員会等設置会社(現在の指名委員会等設置会社の前々身)における機関としてのそれを意味しています。)。

Opinion Leader

HRガバナンス・リーダーズ株式会社

Researcher

CORPORATE
STATEMENT

新しい未来へのストーリーを。

ひとりを輝かせることが、
企業を、社会を、そして世界を
輝かせることにつながる。
そう信じている、だから。
志ある企業が、未来にわたって輝き続けるための
持続可能な企業経営の、力となること。
それが、私たち HRガバナンス・リーダーズの
使命です。
ひとりひとりを、それぞれの組織を、強くし、
有機的につなぐ、
サステナビリティガバナンスで。
企業の新しい未来への、ストーリーを創る。
ビジョンを強く実行し続ける在りかたへと、
変えていく。
日本を動かし、世界を変えていく人たちの、力へ。
未来を生み出す力の、力へ。
アイデアと、経験と、知識と、情熱を、
その想いへと、全力で注ぎ込みながら。
ずっとずっと続く道をともに創り、歩み続けます。
一緒に地球を輝かせていく、
そう、仲間となって。